帝国海軍のこんなこと
大東亜戦争のころの軍隊は、陸軍・海軍ともに兵隊さんも将校さんも男ばっかりでありました。実戦部隊ではないモノの、女性を使う部隊もあるにはあったけど(笑)
与えられた力
はい、今回「も」電脳大本営はお下品な話になります。ってか、今回が本番(笑)下ネタの前回はコチラ
軍隊というものは、基本的に男の集団であります。それも、大きな部分は未婚であろう年齢の若者が占めています。
人間は地球上に生きている生命体の一種である、という立場からすれば、自らの属する種の増殖はいかなる意味においても「絶対正義」である筈です。
ですから、若者の性欲は天から与えられた使命であり、使命を全うするためのパワーであるのでしょう。
私は女性になったことが無いので、女性について言い切ることは出来ませんが、男は「若い=やりたい」でなければいろんな意味で健康である、と言い切れないと信じています。
こんな「やりたい奴ら」が強力な武器を国内で独占して、徒党を組んでいる軍隊は「性欲のカタマリが大量に集積された集団」で、平穏な生活を送っている一般市民にとっては危険極まり無い存在に他なりません。
ではなぜこのように危険な集団を、国費を投入して組織し、維持しているのか?
それは女性を他国の「やりたい奴」から守るため。
通常、いくら若い無責任な男でも、やるためにはそれなりの手順を踏みます。
お金を払う・払う約束をする・結婚をチラつかせる、など契約系のほか、好意を伝える・やりたい気持ちを伝える・逆にやりたいだけじゃない、と信じ込ませる、などの精神系の手順が通常取られるんでしょう。
いたした結果として、扶養が必要な新たな生命が誕生します。
その時はタネ付けをした方が、畑といっしょに引き取って生活を保障する、って言うのが、通常の国で考えられる社会秩序ってモンであります。
ところが、他国の「やりたい集団」が我が国内に侵攻して、そのような正常な手段を講ずることなく、やりたいようにやらかす、などと言った事態を考えてみましょう。
マトモな国・マトモな大人・マトモな人間であれば、こんな事態に備えて
大切な女性を守るために軍隊を組織しよう!
と考えるのが当然でありましょう。
外国の軍隊(やりたい盛りの集団)を打ち破らなければいけませんから、軍隊の構成員は元気盛りの若者が相応しい、つまり軍隊は「やりたい盛り」なんであります、基本的に(笑)。
軍隊とは、国民の生命・財産を守ることを使命とする集団なのですから、任務を果たしてくれないと、国にいる女性たちは安全ではいられません。
つまり、「やりたい集団」が本能の赴くままに(ちゃんと手順を踏んでも)やってばかりいると、肝心のお相手が他の集団に取られてしまいます。軍隊とは大変哀しい集団なのであります。
軍隊の若者たちには、適当に「やらせてあげる」ことを考えなければいけません。コレが世界共通の認識であります。
海軍士官のたまご
大日本帝国において、海軍は陸軍に比べて圧倒的に人気があったそうです。
コレは種々の理由が、いろいろな論者によってあげられています。一つには(って言うか、私は圧倒的にコレだと思っていますが)海軍が志願兵に頼っていたことがその原因だろうと思われます。
それに加えて、陸軍に比べて武器に多大なカネがかかる。軍隊だって一種のお役所には変わりないのですから、平時戦時に関わらず、予算を分捕るためには、国会議員サマを納得させなければなりません。
戦前だって、国会議員は国民が選んでいたんですからね。
海軍は兵員を集めるためにも、集めた兵員に武器をちゃんとあてがうためにも、国民からの人気が必要だったんです。
そのために、「海軍ってカッコええやん」とか「国民目線で軍備を進めてるよね」という評判が立つように努力を続けていたんです。
そのため、帝国海軍は士官になるために教育を受けている「兵学校生徒」には厳しい躾を行いました。
兵学校(機関学校・経理学校も)の受験資格は15歳から19歳、やりたい盛り・元気盛りのガキどもですから、躾が厳しいのは当然ですが。
日本の若きエリート候補は、体力に自信のない者を除いて全員受験したような海軍兵学校ですが、意外にも学力の方は
「中学校4年2学期終了程度を標準とする」
と学歴での制限はナシ。
でありますので、海兵44期の黒島亀人少将(大東亜開戦時の連合艦隊先任参謀)みたいに、夜間中学に通いつつ合格したり、(尋常)小学校卒で合格したとか、いったん水兵さんになってから海兵に合格した、って例もあるそうです。
さて、そろそろ下ネタに(笑)。兵学校は学力だけではなくて、気力と体力も考課対象となります。
体力はロープにぶら下がったりする体力測定、視力なども検査する身体測定、それに加えて「M検」と呼ばれるモノもあったそうです。
M検を受けるときは褌いっちょうの裸体になって、検査官(たぶん医師だと思います)の前に立ちます。そこ検査官では「したを出せ」というわけですね。
兵学校を目指す人は海軍将校の家族が多いと言われます。そういう受験者は父ちゃんなどから聞いてるので問題なかったでしょう。
でも、もちろんそうじゃない人もいっぱい受験します。海軍将校はカッコ良いし、給料も良いし、何せ今でいうとジャニーズ事務所のタレントほどモテるからな。
で、そんな事情の判ってない受験者はベロを出すわけなんですね。
しかし検査官
「おい、早くしたを出さんか!」
受験者焦って、ますますベロを突き出すと、検査官怒って
「マラ出せ、言うとんじゃ、ワレ!はよ出せ」
M検のMとは「魔羅(まら=おちんちん)」のことで、要は性病のチェックだったのであります。
このマラ→Mみたいな言い換えは海軍さんの得意とするところで、この記事も殆どその言いかえで成り立っておりますことも、ココで白状しておきます。
生徒の間は禁女人
無事にマラ検を通過した「兵学校生徒」。
海軍としては、将来の国防を担う大切な戦力でありますから、大事に大事に育てます。
ジャニーズや「何とか坂」みたいなもんで、一人前になるまでは恋愛禁止であります。ついでにセッ〇スも禁止です。
具体的には、手紙の検閲。
田舎に残してきた彼女から、手紙が届いたりしたら、ヤリタ心が疼くじゃないですか。
今のように電子メール(最近はメールと言えば、コッチであるな)はありませんし、携帯(電話)もないし、固定電話も庶民がおいそれと掛けられるモノではありませんでした。
兵学校では建前として手紙の検閲はありませんでしたが、「女性の名前」の手紙だけは開封されたそうです。
じゃあ、男名前で出せば良さそうなモノですね。ところが、敵もさるモノ、長年の勘で見抜いちゃうんだそうで。
まあ、字が違うんでしょうね。当然、マイクロソフト・オフィスもパソコンもねえし、手書きですから。
ですから、お母ちゃんとかおばあちゃんの名前を使ってもバレたそうです。若い女性とババアでは字が違うんだそうな。
では、お姉ちゃんの名前を使えばどうだったんでしょうか?
そのテのお店の従業員の女性ではなくて、ホンマに血のつながった姉ちゃんとか妹の。やっぱり開けられるんだろうか。
で、バレても厳重注意で済んだみたいです。
しか~し、やってしまった結果として海軍用語でいう「アール」つまり淋病その他の性病を頂戴すると、コレは間違いなく「免生徒」だったようです。
しかも、その件は全生徒整列で発表されちまいます。
「○○生徒は已むを得ざる衝動に駆られ…」と発表され、「已むを得ざる衝動」が流行語になった、悲しいクラス(71期)もあったそうな。
そんな悲劇を避けるため、兵学校では生徒に対し、娑婆(一般世間のこと)の人間を「おばさん」と呼ばせていたそうです。
兵学校生徒は「レス(レストラン/海軍御用達の料亭兼置屋さん)」などは出入り禁止ですから、代わりの息抜きが準備されていました。
近所の民家の一室を借り上げて「倶楽部」としていたのです。
生徒たちは休日にはこの倶楽部で昼食を取り、囲碁や将棋を楽しみ、読書をし、歓談することを期待されたんですが、民家ですからね。
年頃の女性も当然おられます。そういった人達もみんな「おばさん」と呼ばせることで「事故」を防ごうとしたんですね。
アホらしいって言いましょうか。
当時は熟女好みはいなかったんじゃろなぁ(笑)
そして、私「娑婆の人間」って書きましたよね?
そう、民家のおっちゃんや兄ちゃんも「おばさん」と呼ばせたらしいのですよ。「そういう好み」の生徒も居たかもしれないのに。
候補生
兵学校をはじめとする「海軍三校」(兵学校・機関学校・経理学校)を卒業すると、「生徒」は「少尉候補生」となりますが、まだまだ厳しい躾が続きます。
兵学校では1号生徒(最上級生)として威張ってたのに、配属された殆どの艦の「ケプガン」は兵学校入学当時の1号生徒が務めているんです。だいたい勤務年数からそういう巡り合わせになるんですね。
ケプガンとは「ガンルーム室長」のこと。ガンルームってのは「士官次室」と説明すれば良いですかね。下級士官の集会室みたいなモンです。
兵学校では最上級生で威張ってたのに、またあの悪夢が蘇る(笑)
ただ、いまだ「教育中」とはいっても、もう士官です。
艦が入港する軍港などには、「レス」「チング」「カフェ」「ピーハウ」といった海軍御用達のお店があり、兵学校では鉄拳制裁も辞さなかったケプガンをはじめとするパイセンが、候補生を連れて行ってくれるんですね。
レスはレストランだと想像が付きますが、海軍サンはお洒落でウィットが効いてますから、単純じゃない。レスと言うのは料亭のことなんであります。
料亭は海軍御用達の「名店」が各港町にありまして、それぞれ符牒が付いております。有名なのもそうでないのもあるんで、ちょっと列挙しておきましょう。
横須賀;小松(パイン)・魚勝(フィッシュ)・いくよ(ゴーイング)
呉;徳田(ラウンド)・岩越(ロック)・吉川(グッド)・崋山(フラワー)・五月荘(メイ/潜水艦専門)
佐世保;万松楼(山)・いろは楼(川)・第三岡崎(サード)
舞鶴;白糸(ホワイト)
ってな所ですね。
で、料亭でありますから、呼べば来ます。
そのうち、修行中の女の子(ホンマモンの意味で少女であります)は「半玉」ですので、ハーフと呼ばれたんだそうです。
そんな「ハーフ」に、飲みながら抱き付いた少尉が言ったとか。
「おい、お前は当然バージンだろうな?」少女、色をなして怒ります。「あちきはそんな可笑しな人じゃなかとよ。れっきとした日本人よ!」
ホントのところは候補生の間はまだ「禁女人」なんですけどね(笑)
日本人とバー人のハーフでもお構いなしって、流石海軍士官。
女王陛下のキスを受けても、落ち着いて対応した「海上自衛隊」の直接ご先祖だけのことはあります。
水兵さん専用もありまして
半玉さんが修業を終えると、晴れて芸者さんであります。コレを海軍サンでは「エス」と呼びました。
わたしも長い事、なんで「エス」なんだろう?と思ってたんですが、「singer」のエスらしいんです。まあ、芸者さんは歌も歌うわな。
「レス」で「エス」を呼んでドンチャン騒ぎをすることを「エスプレイ」と呼んだそうです。SMプレイじゃないからな(笑)
エスプレイはレスだけじゃなくて、「チング」でも出来たようで、コッチは「waiting」つまり待合のこと。
レスよりチングの方が安くて、エライさんも来ないから、若い士官はコッチへ行ったのかも。
「カフェ」なら「女給」さんと交渉次第でもっと安くヤレたみたいだけど、キッチンにリーチ・マイケルが居たら、アフォ遊びがし難いよな(リーチの奥さんはカフェ経営、リーチもシーズンオフにはお手伝い)、怖いもん。
さらにお安く付くのが、「ピーハウ」。コイツはもうそのまんまですぞ。
「prostitute house」のピーハウ、「売春婦の家」じゃん。上品に言うと「遊郭」「女郎屋」ってことですな。
ただし、ピーハウは下士官・兵専用ってことになっておりまして、士官が顔を出すのは無粋だとされていました。
社員が集う息抜きの飲み屋に、係長・課長(海軍で言うたら特務士官かな)くらいならともかく、あんまり偉い人が行くのはダメなんと同じであります。
水兵さんの人気取りに部下を大勢引き連れて、「全持ち」で繰り込む士官もいらっしゃった様ですけどね。
ってわけで、帝国海軍は「女遊び」には大変寛大なるお役所でありました。ただし、お相手は玄人さんに限ります。
それも、コソコソやるのはNGだったようで、
「やりたいなら、それなりの所へ堂々と行け」
と言う大方針が最後まで貫かれていました。
山本五十六元帥(戦死後昇進)は毀誉褒貶の著しいひとで、大東亜戦争の敗着の一つである「ミッドウェイ」への出撃前に、病気で寝ていた愛人を呉に呼び寄せてイチャついていたことは有名です。
私が「一線の武将としては落第」と評価する(政治向けの将校としては有能じゃね?海軍大臣やらせてみたかったな、とも思ってます)一因でもあります。
ただ、病弱者をわざわざ呼び出すのはともかく、奥さん以外の女性といたすことは、海軍では罪悪視されてたワケじゃあないんです。
お金のかけ方は違いますが、水兵さんもコレは同じこと。
私は、陸軍・海軍問わず、兵隊さんこそ軍の宝だと信じていますのでね、こういう方針は非常に喜ばしいのです。
しかしながら、水兵さん・兵隊さん(下士官含む)に関する情報は士官のソレに対して、圧倒的に少ないんです。
私は大日本帝国もその軍隊も、基本的に肯定的にみる方ですが、ソコだけは許せない。
兵隊さんこそ国防の要点でありますのに。
猥談は上品に
それはソレとして、ですね。
大日本帝国の国防と将来を双肩に担う若き海軍士官たちは、儂たちの若いころみたいに、そのものズバリの猥談をすることはご法度でありました。
ただし今の若い人達みたいに、何を言っても「セクハラ」みたいなワケでもなかったんであります。
ちゃんと生活の面倒を見れば、愛人囲ってもOK!の組織が本気で猥談禁止にするワケ無いじゃないですか。
若き海軍士官たちは、「ヘル談」と称して堂々と猥談をやっておりました。「ヘル」とは「Help」でして。
助ける(ヘルプ)→「ヘル=助」ってことでしょうね。
書いてるとアフォらしくなる話でありますが、「やりたくて堪らん」20代になったばかりの若き戦士たち。
同じ艦で沈むか、別の空で散るか、それが何時自分に巡ってくるのか?って職業に「やりたい一心」で志願した若者たちですから、当然と言えば当然です。
で、そのなかに「直属上長に贔屓されてるぜ、俺!」みたいな自慢もかいま見えたりして、人間味タップリであります。
上陸して、一晩艦を空けていた中尉がガンルームで…
「ゆうべはケップ(captain=艦長)に呼ばれてチングに行ったんだけどさ、ケップの奴、カレント(current=通貨=通だけ取って「居続け」の意)しっぱなし。
ヘル談してたら、ケップの奴インチ(intimate=親密な=マンマじゃん)とイチャ付きやがって、パインに行って飲み直しや。」
「パインでストップ(お泊りで)したらエムエムケーでよ(motete/motete/komaru=日本語じゃん、こんなタレントがいたよな)、ウー(woman)のやつが貴様とのエヌ(noroke=コレも日本語かい)をタラタラ喋りやがって、めでたく貴様と俺とはホールメイト(ご想像の通り)よ。」
ってな具合で、士官のみなさん、助兵衛丸出しであります。
そこへ行きますと、下士官さんたちの「ヘル談」はお給料の問題もありまして、グッとつつましやかになります。
さる新婚の下士官さん、経済上の問題もありまして奥様は実家に残したまま任務についておりました。
数か月にわたる航海が終わりに近づき、朝鮮半島まで帰ってきた下士官さんは、愛妻に電報を打ちました。
半島まで参りますと、内地と同様の料金で(今の情況からするとバカ高いけど)連絡をすることが出来るんです。
「チンタツ サセ二コイ」
奥様は実家にいるんですからね(笑)。奥様の御父上はこの電報を見て怒るまい事か。
などと士官さんたちに比べて、まことに「綺麗な」ヘル談でございます。
解説も不要でしょうが、一応申し上げておきますと。
「チン」とは鎮海を指します。釜山にほど近い、現在もKorea水軍のメインの基地になっている良港です。
往時は帝国海軍の「警備府」がありました。警備府は鎮守府の小型版と思えば良いので、「主要軍港」と言えば良いんでしょうね。
電報は字数が多いのを嫌いますし、何事も簡潔を旨とするのが海軍流。「チンカイ シュッパツス サセボ二 キテクレ」なんて打つワケありません。
ただ、この話には一つ「誤魔化し」がありまして。佐世保は海軍の符牒って言いますか短縮系では、ただ一文字「サ」でありまして「サセ」ではありません。
しかし「チンタツ サコイ」ではヘル談にはなりませんから、これくらいの誤魔化しはOKってことで。
って申しますか、「鎮守府」って存在そのものが帝国海軍ヘル談の元ネタになってるような気もする(笑)
鎮海を避けても、「クレチン」「ヨコチン」「マイチン」「サチン」…
鎮海警備府が鎮守府に昇格しなかったのは、絶対にコレが原因だな(笑)
半島だから、って言う理由で「差別」したわけじゃあ、絶対にない。
略称「チンチン」では、海軍お得意のウィットでも隠しようがありゃしない、ですからね。
以上、電脳大本営の下ネタシリーズ、とりあえず終了であります。